歯並びを正しく整える矯正治療には、いくつかの種類があります。
代表的な治療方法の1つであるリンガルブラケットは、どのような治療方法なのでしょうか？
リンガルブラケットは、通常の矯正治療のデメリットをカバーできるため、人気があります。
リンガルブラケットについて、特徴やメリット、デメリットを解説します。
リンガルブラケットとは？
一般的な矯正治療の方法は、歯の表面にブラケットという金属板を接着してワイヤーでつなぎ、歯に圧力をかける金属ブラケットという矯正装置を使用します。
口を開けた時、銀色の金属が目立つため、矯正治療を受けているとすぐにわかるでしょう。
見た目が悪いからと、矯正治療を受けたがらない人もいます。
特に、大人になってから矯正治療を受ける場合は気になるでしょう。
見た目の問題を解消できる治療方法の1つが、リンガルブラケットです。
リンガルは、「舌側」という意味です。
通常は表側、唇側に装着する矯正装置を舌側、つまり裏側に装着することから、リンガルブラケットと呼ばれます。
装置は基本的に金属ブラケットと変わらないのですが、ブラケットを着けてワイヤーでつなぐのが歯の裏側になるため、外からはほとんど見えません。
矯正治療の効果も、表側に装着した場合とあまり変わらないのです。
リンガルブラケットのメリットとデメリット
リンガルブラケットの最大のメリットは、見た目です。
口を大きく開けて上か下から見ない限り、装置はまず見えません。
食事の際も、気にせず口を開けることができます。
裏側に装着するので、歯の表面を傷つけることもありません。
金属製のブラケットを装着するため、表面に装着すると傷がついて着色汚れの原因になることもあるのですが、裏側に装着すると表側はもちろん、裏側につく傷も最小限となります。
リンガルブラケットのメリットが特に大きいのが、吹奏楽でトランペットなどを演奏している方です。
表面に矯正装置があると演奏の邪魔になることもあり、矯正治療を受けながら演奏するのが難しくなるのですが、リンガルブラケットならほとんど邪魔になりません。
また、矯正治療を受けていると虫歯になる可能性が高くなるのですが、リンガルブラケットは虫歯のリスクが低いのです。
そもそもなぜ矯正治療を受けていると虫歯になりやすいのかというと、食べかすが矯正装置に挟まってしまい、なかなかきれいにできないのが原因です。
しかし、リンガルブラケットは歯の裏側に装着するため、表側よりも多く唾液に触れます。
唾液には虫歯を防ぐ力があるので、唾液が多いと虫歯になるリスクが低くなるのです。
歯を舌で前に押し出す癖があるせいで歯並びが悪くなっている人もいるのですが、リンガルブラケットを装着していると歯の裏側に金属があるため、舌で押すと痛みがあります。
癖が矯正でき、歯並びの悪化を防ぐこともできます。
デメリットとしては、まず矯正装置がオーダーメイドとなり、装着や調整をするには高度な技術が必要となるため、治療費が高くなってしまうという点があります。
難しい治療なので、どこの歯科医院でもできるというわけではありません。
また、装着してからしばらくの間は違和感があり、発音や咀嚼にも悪影響があるかもしれません。
奥歯で噛むことができないこともあるため、気をつけてください。
まとめ
歯の裏側に矯正装置を着けるリンガルブラケットは、矯正装置が目立たないため矯正に抵抗があるという人でも安心して治療を受けられます。
裏側にあるため邪魔になりにくく、吹奏楽でも問題はありません。
舌で前歯を押し出す癖があるせいで歯並びが悪くなっている人も、装置が邪魔になってできなくなるため、癖を矯正することができるでしょう。
ただし、どの歯科医院でも治療を受けられるわけではないので、注意してください。
