口内炎は、軽度のものから重度ものまでさまざまであり、中には放置していると危険なものや、他の病気が関係しているものもあります。
また、これらの口内炎にはそれぞれ名称がつけられていて、特徴や原因も異なります。
ここからは、口内炎の種類と特徴について解説します。
5種類の口内炎とそれぞれの特徴
口内炎には、主に以下の5つの種類があります。
・アフタ性口内炎
・カタル性口内炎
・ヘルペス性口内炎
・カンジダ性口内炎
・ニコチン性口内炎
それぞれの特徴を見てみましょう。
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、もっとも一般的な口内炎です。
口内の粘膜にできる境界線がハッキリとした小さい腫瘍で、なおかつ表面が白か黄色の膜で覆われ、周りが赤くなった状態をアフタといいます。
アフタ性口内炎は、名前の通りこちらのアフタが多発し、周辺に粘膜炎を伴っているものであり、頬の内側や舌、唇や歯茎にできやすいです。
ちなみに、こちらの主な原因はストレスや栄養不足などによる免疫力の低下とされていて、女性は生理前や妊娠期などにもできやすくなります。
カタル性口内炎
カタル性口内炎は、入れ歯や矯正装置が触れたり、誤って頬の内側を噛んでしまったりしたときの細菌の繁殖、熱湯や薬品の刺激といった原因で発生する口内炎です。
口の粘膜が赤く腫れたり、水疱ができたりするのが特徴で、アフタ性口内炎都は異なり、境界が不明瞭です。
また、唾液の量が増えて口臭が強くなったり、口内が熱く感じたりすることもあり、味覚についても鈍くなるおそれがあります。
ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎は、単純ヘルペスウイルスの感染によって発症する口内炎です。
感染により、歯茎や喉の奥に口内炎が多数でき、その痛みの高熱から、食事が困難になります。
ヘルペスという名前を聞き慣れない方は、怖いウイルスに聞こえるかもしれませんが、こちらはそれほど珍しくなく、周囲の水疱だけであれば、疲れや寝不足などで大人でもすぐできることがあります。
ただし、ヘルペス性口内炎に関しては、基本的に子ども特有の症状であり、生後6~3歳頃の子どもがもっとも感染のリスクが高くなります。
ちなみに、ヘルペスウイルスは、近くにいるだけではうつらず、濃厚接触によって伝染するウイルスです。
カンジダ性口内炎
カンジダ性口内炎は、口腔カンジダ症とも呼ばれる症状であり、口内にカンジダというカビが異常に増殖した状態をいいます。
こちらを発症すると、口内に白苔というコケのようなものが付着し、放置することによってそれが口全体に広がります。
また、舌にヒリヒリとした痛みが出たり、味覚障害や出血を伴ったりすることもあります。
ちなみに、カンジダ性口内炎は、ぜんそく治療で吸入ステロイド薬を使用した際、うがいが不十分であったときや、抗生物質、ステロイドの長期使用などが原因で発症します。
ニコチン性口内炎
ニコチン性口内炎は、喫煙者の方に多いとされる口内炎です。
口内の粘膜が厚くなって白く変色し、一部に赤い斑点ができる症状が特徴です。
タバコの熱により、口内を軽く火傷してしまうことや、タバコに含まれる化学物質の影響が原因とされています。
また、タバコの吸気の熱は口内を乾燥させ、口内炎をつくりやすい状態にする上、口内が不衛生になったり、喫煙によってビタミンを消費したりすることから、長期的にこの状態が繰り返されることで、ニコチン性口内炎のリスクはさらに高くなります。
まとめ
ここまで、口内炎の種類とそれぞれの特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
口内炎は、発症してから数週間程度ですぐに治るケースが多いですが、場合によってはなかなか完治しないこともあります。
また、日常生活や身体の状態に問題がある場合、そのまま様子を見ても治らない可能性が高いため、一度歯科クリニックに相談してください。