【せんげん台の歯医者】顎関節症と間違えやすい病気について

口腔外科

顎関節症を発症すると、顎関節に痛みが走ったり、口が開閉しづらくなったりします。

しかし、このような症状が出たからといって、必ずしも顎関節症を発症しているとは限りません。

中には、似たような別の病気を患っている場合もあります。

今回は、顎関節症と間違えやすい病気について解説します。

顎関節症と間違えやすい病気4選

顎関節症のような症状が出ている場合、以下の病気を患っている可能性もあります。

・ファーストバイトシンドローム
・咀嚼筋腱・腱膜過形成症
・舌咽神経痛
・筋突起過形成

ファーストバイトシンドローム

ファーストバイトシンドロームとは、食事の一口目(ファーストバイト)にズキッと顎が痛む症状のことをいいます。

痛みの理由は、下顎の後ろにある耳下腺という唾液腺から急激に唾液が分泌されることです。

耳下腺には唾液が蓄えられていて、ものを食べようと口を動かすと導管を通って口の中に唾液が出てきます。

また、唾液は口の動きに伴って自然に出てくるだけでなく、レモンや梅干しのような酸っぱい食べ物を連想するだけでも出てきます。

このように唾液の分泌をコントロールしているのが自律神経で、交感神経と副交感神経の両者が共同して耳下腺から唾液が出る量とスピードを調節していますが、ファーストバイトシンドロームとはこの調節が崩れ、一気に唾液が出ようとして導管が無理に押し拡げられたために、痛みが生じます。

咀嚼筋腱・腱膜過形成症

咀嚼筋腱・腱膜過形成症とは、えらが張っていて顔が四角い、痛みがないのに口が開きづらいといった症状が出る病気をいいます。

顎の上下運動を行うと動きにくく、前や横であれば正常に動きます。

こちらの病気は咬筋や側頭筋、内側翼突筋など、閉口時に働く筋肉の異常によって生じます。

筋肉の腱及び腱膜が異常発達して(過形成)硬くなり、筋肉が伸びなくなるため、口が開かなくなります。

舌咽神経痛

舌咽神経痛とは、舌の後方1/3部分と、咽頭部の感覚を司る舌咽神経に生じる発作性の神経痛をいいます。

実際の痛みは、舌咽神経の支配領域である舌後方1/3や耳(鼓膜)、下顎角、咽頭部にかけて発生するため、「食べ物を飲み込むとき痛い」あるいは「口を大きく開けるとアゴの関節が痛い」などと自覚することが多く、その症状から顎関節症と間違えやすい傾向にあります。

事実、舌咽神経痛はあくびや嚥下などの顎運動によって誘発されるため、患者さんは「大きく口を開けると痛い」と訴えます。

また、食べ物や冷水からの刺激によって食事の際に発作性の疼痛(ズキズキとうずくような痛み)が起こるケースも多く、食事をするとアゴが痛いということもよくあります。

筋突起過形成

筋突起過形成とは、筋突起が何らかの理由により大きくなり、頬骨に当たって口が開かなくなる病気のことをいいます。

顎関節は二つの骨で構成されています。

一つは下顎骨の後上方にある下顎突起、もう一つは頭蓋骨側方部分にある側頭骨の下顎窩です。

また、下顎突起の前方に筋突起と呼ばれる別の突出部分があり、側頭筋が付着して閉口運動に関与しています。

筋突起過形成になると、こちらの筋突起が拡大し、食事や会話の際にうまく口を開けられません。

ちなみに、筋突起過形成は、その多くが小児期の顎の成長と共に発症し、両側が同じように大きくなりますが、痛みはなく、力ずくで口を開けようとしてもまったく動かないことが特徴です。

まとめ

ここまで、顎関節症と間違えやすい病気の特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

今回紹介したもの以外にも、側頭動脈炎や咀嚼筋間隙の腫瘍など、顎関節症のような症状が出る病気はいくつかあります。

また、いずれの病気を患っている場合でも、放置せず歯科クリニックなどの医療機関に通い、必要であれば治療を受けなければいけません。

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