歯並びや噛み合わせの問題を解決し、患者さんが理想とする歯に近づけるのが矯正治療の目的です。
しかし、患者さんの中には、自身の状況や性格などの問題から、矯正治療に向いていない方もいます。
ここからは、矯正治療に向いていない方の主な特徴について解説したいと思います。
矯正治療に向いていない人の特徴5選
以下に当てはまる方は、あまり矯正治療に向いていないと言えます。
・経済的な余裕がない
・定期的な通院ができない
・治療中のルールを守れない
・絶えず飲食をする職業に就いている
・顎関節症を患っている
経済的な余裕がない
歯科クリニックで行われる矯正治療は、原則自由診療です。
そのため、どのような矯正方法を選択するかにもよりますが、場合によってはかなり高額な費用が必要になることもあります。
また、矯正治療は数年間をかけて行うものであるため、トータルの治療費や診療費が100万円単位になるケースも少なくありません。
もっと言えば、矯正治療を受ける時点で虫歯や歯周病を患っている場合などは、まずそちらを治療する必要があり、このようなケースではさらに治療費が高くなります。
よって、ある程度経済的な余裕がなければ、スムーズに治療を完了させるのは難しいと言えます。
定期的な通院ができない
定期的な通院ができないほど多忙であったり、引っ越しの予定があったりする方は、矯正治療に向いていないと言えます。
なぜなら、矯正治療中は、歯が正しく計画通りに動いているかどうかチェックしたり、虫歯や歯周病にかかっていないかチェックしたりする必要があるからです。
例えば、留学や転勤などで長い間通院できない場合は、矯正装置を外し、保定装置のみで留学や転勤をし、それらが終わり次第矯正治療を再開するなどの処置が必要です。
治療中のルールを守れない
矯正治療中は、器具に汚れが溜まりやすくなるため、きちんとメンテナンスを行わなければ、汚れの周囲から虫歯や歯周病を発症してしまう可能性があります。
また、マウスピース矯正の場合は、1日20時間以上装着する必要があり、装着時間がこれより短くなると、思うような矯正効果が得られません。
そのため、治療中のルールを守れない方は、はじめから矯正治療を受けるべきではないと言えます。
絶えず飲食をする職業に就いている
例えば、絶えず味見をしなければいけない飲食店の従業員や、接客でお酒を飲む時間が長い方などは、矯正治療に向いていないと言えます。
特に、マウスピース矯正は、先ほども触れた通り、目安として1日に20時間以上装着しなければいけないため、頻繁に飲食し、マウスピースを外している時間が長い方は、十分な装着時間が確保できません。
顎関節症を患っている
治療前の時点で顎関節症を患っている方は、矯正治療を行うべきではありません。
顎関節症は、噛み合わせが原因で発症すると考えられているため、矯正治療を受けることで改善する方も多くいます。
しかし、矯正の方法によっては、顎関節症が悪化するリスクもあります。
また、顎関節は、頭に宙づりの状態でぶら下がっているため、不安定です。
そのため、矯正治療によって歯が動くことにより、噛み合わせが日々変化し、それによって顎が開かなくなったり、痛みが生じたりすることがあります。
つまり、矯正治療が原因で、顎関節症を発症する可能性もあるということです。
まとめ
ここまで、矯正治療に向いていない人の特徴について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
矯正治療は、一度始めたら、基本的に最後まで予定通りやり遂げる必要があります。
もし、途中でやめてしまったら、以前より噛み合わせが悪化したり、費用だけ無駄にかかってしまったりすることにもつながるため、自身の環境や性格が矯正治療に向いているかを考えるのは、とても大切なことです。