矯正治療を行う際は、ルールに従って一定期間器具を装着し、理想の歯並びをつくり上げます。
また、治療はここで終わりではなく、その後はリテーナーと呼ばれるまた別の装置を使用する期間に入ります。
ここからは、矯正治療に使用するリテーナーの概要や種類、使い方などについて解説したいと思います。
リテーナーの概要
矯正治療を行った後の歯は、まだ安定感がなく、放置していると元の場所に戻ろうとします。
こちらを後戻りといいますが、リテーナーはそれを防ぐための装置です。
具体的には、矯正治療の終了後に、一定期間歯の位置を固定し、整った歯並びを定着させるために用いられます。
このように、リテーナーが用いられる期間は保定期間と呼ばれます。
また、リテーナーは矯正器具と同じように、さまざまな種類があり、患者さんの性格やライフスタイル、矯正した歯の状態などによって適したものが変わってきます。
リテーナーの主な種類
リテーナーには、主に以下の3つの種類があります。
・マウスピース型
・プレート型
・ワイヤー型
マウスピース型は、目立ちにくく歯並びを固定する力も強いというメリットがありますが、上下の歯の間にマウスピースが介在するため、積極的に噛み合わせを安定させたい場合には適さないことがあります。
また、プレート型は、プレートの外側をワイヤーが取り巻いているタイプで、外からは目立ちにくいですが、歯並びによっては、保定力でマウスピース型よりも劣ることがあります。
ワイヤー型は、固定式の細いワイヤーを前歯などの裏側に接着させて使うタイプです。
歯を直接抑えるため、動きやすい部分を強固にとどめる効果が期待できる反面、接着剤で固定するため、自身で着脱することはできません。
リテーナーの装着時間について
リテーナーの装着時間は、保定期間開始時でいうと1日20時間以上です。
その後、経過をチェックしながら、少しずつ装着時間を減らして様子を見みます。
最終段階では、夜間のみ装着します。
また、保定期間中の通院頻度については、短い間隔で、徐々に頻度が減っていくのが一般的です。
矯正治療完了の3ヶ月後に一度通院し、そこから半年後、さらにそこから1年後といったように、間隔を空けながら通院するイメージです。
リテーナー装着時の注意点
リテーナーの装着時は、必ず歯科クリニックの医師に指示された期間を守りましょう。
また、取り外し可能なリテーナーは、食事中には外さなければいけません。
食べ物が付着してしまうと、虫歯や歯周病を発症する原因になります。
その他、リテーナーの洗浄については、ブラッシングの後に行うことが大切です。
リテーナー専用の歯ブラシや洗浄剤を使用し、清潔な状態を保ちましょう。
ちなみに、万が一リテーナーが破損した場合は、修理や交換が必要になります。
破損したものはそのまま使用せず、早急に歯科クリニックに相談してください。
リテーナーの装着をさぼるとどうなる?
矯正治療後、一切リテーナーを使用せずにさぼっていると、数日使用しなかっただけで、リテーナーが入らなくなることがあります。
こちらは、歯が動いてしまったことにより、装置が合わなくなってしまったことが原因です。
また、リテーナーの使用不十分による後戻りや変化については、再治療もしくはその他の治療が必要となってしまい、こちらは当然別料金が発生します。
まとめ
ここまで、矯正治療で使用するリテーナーについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
矯正治療は、矯正器具による歯の移動と、リテーナーによる固定によって初めて完了するものです。
そのため、キレイな歯並びが完成するまでにはある程度の期間が必要ですが、こちらの期間をしっかりルールを守って過ごした方でなければ、思い通りの仕上がりにならず、苦労や費用が無駄になる可能性があります。