虫歯などの治療が完了した後も、歯科医院で定期検診を受けるようにすすめられることがあります。
「歯に何の異常もないのに、なぜ歯科医院へ通わなければならないの?」と不思議に思う人もいるかもしれません。
実は、定期歯科検診を受けることには非常に重要な意味があるのです。
定期歯科検診を受ける重要性について、解説します。
定期歯科検診はなぜ重要なのか
虫歯や歯周病など歯に関する何らかのトラブルが起こった時に歯科医院を受診する人が多いのではないでしょうか?
歯の痛みがあったり、歯茎から出血したりした時に「受診しなければ」と思って歯科医院に行きますが、実はそうなってからでは手遅れなのです。
虫歯や歯周病は、ゆっくりと進行していきます。
最初は、痛みもなく出血もしませんが、見えないところで症状が進行し、歯や歯茎にダメージを与えているのです。
痛みや出血などの自覚症状が出てくる段階になると、だいぶ進行しています。
そこから治療するとなると、歯を大きく削る必要があるケースも珍しくありません。
また、歯周病の場合、歯周組織がかなり破壊されているため、見た目以上のダメージがあります。
虫歯の場合、進行の度合いによっては、抜歯が必要になることもあります。
また、歯周病であれば、いつの間にか歯が抜けそうになっていることもあり、自覚してから治療を始めるとなると、相当な時間がかかるでしょう。
歯を抜歯した時点で歯の寿命は終わりを迎えますが、抜歯をしなくても削るだけで大きなダメージとなり、寿命が短くなってしまいます。
削った歯は、元には戻りません。
定期歯科検診は、知らないうちに虫歯や歯周病が悪化している、という事態を避けるために行うのです。
定期的に歯や歯茎をチェックしてもらうことで、自覚症状がない段階での早期発見につながり、影響が少ないうちに治療することができます。
早期治療ができる分、歯が受けるダメージを軽減でき、歯の寿命の短命化を防げるのです。
定期歯科検診を受けるメリット
定期歯科検診には、虫歯や歯周病を早期に発見して治療できるというメリットがあります。
しかし、メリットはそれだけではありません。
例えば、早期発見によって完治までの治療期間を短縮化できるという点が挙げられます。
虫歯や歯周病は、放置しているとダメージの範囲が広がります。
虫歯であれば、虫歯が進行するだけでなく、他の歯にも虫歯が広がることがあるのです。
歯周病も、進行すると広い範囲で歯茎に炎症が起こります。
虫歯も歯周病も、細菌が原因となる細菌感染症です。
治療せずに放置しておくと、細菌は増殖し、活動の範囲を広げていきます。
状況次第では、他の人に感染してしまう可能性もあるのです。
早期に発見できれば、治療の範囲も小規模なもので済みます。
また、治療内容も簡単になるため、治療が終わるまでの期間も短くなります。
その分、治療費も安く済むでしょう。
定期検診で歯をチェックしてもらう際は、ブラッシングの指導も行われます。
ブラッシング指導によって、歯磨きを丁寧かつ効果的に行えるようになるでしょう。
また、定期的にクリーニングを受けることで、虫歯や歯周病の原因となる細菌が増殖するための巣である、歯垢や歯石などを除去してもらうこともできます。
歯垢や歯石は丁寧に歯を磨いていてもなかなか落とすことができないため、専門家にクリーニングをしてもらうのがおすすめです。
まとめ
歯科医院に通って定期検診を受けるというのは面倒に思うかもしれません。
虫歯や歯周病などの異常がなければ、特にそう思ってしまうでしょう。
しかし、定期検診に通うことによって、虫歯や歯周病を自覚症状が出る前の軽度な段階で発見することができます。
早期に治療して、歯や歯周組織にダメージが残らないよう完治させることもできるのです。
歯を長く使い続けるためにも定期検診に通い、虫歯や歯周病を予防しましょう。