歯科医院では、虫歯や歯周病の治療を行うだけではなく、歯をきれいにする施術も行っているため、治療以外の目的でも通う人がいます。
歯をきれいにする施術には、ホワイトニングやクリーニングなどがあるのですが、2つはどのような違いがあるのでしょうか?
ホワイトニングとクリーニングの違いについて、解説します。
ホワイトニングとは?
歯をきれいにしたいという人は、まずホワイトニングを考えるでしょう。
ホワイトニングは、歯を白くするための施術です。
過酸化水素を主成分とした薬剤を使用して、歯を漂白するための施術です。
ホワイトニングには、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、歯科医院で処方された薬剤を使用して自宅で行うホームホワイトニングがあります。
ホームホワイトニングで使用する薬剤の主成分は過酸化尿素ですが、反応して過酸化水素になるため、濃度が薄いだけでオフィスホワイトニングの薬剤と効果は一緒です。
過酸化水素は漂白剤にも使用されている成分なので、しっかりと歯を白くできます。
歯の表面に付着した着色汚れだけではなく、内側の象牙質による黄ばみもしっかりと漂白して、歯を白くします。
ホワイトニングは、歯を白くすることが目的です。
神経を除去して黒ずんだ失活歯なども、ホワイトニングで白くできます。
また、抗生物質が原因のテトラサイクリン歯なども、白くすることが可能です。
歯をいくら丁寧に磨いても、歯に着いた色はなかなか落ちません。
磨いても落ちない汚れを落とすには、ホワイトニングがおすすめです。
特に、象牙質が透けて見える黄ばみには効果的です。
ホワイトニングは、歯を傷つけることがないのもメリットです。
ただし、歯の表面にあるペリクルという薄い膜ははがれてしまうため、ホワイトニングの直後の着色汚れはダイレクトに歯に付着してしまうため、注意してください。
クリーニングとは?
クリーニングは、歯に付着している汚れを物理的に除去する施術です。
歯垢などの汚れや歯石、歯の表面の着色汚れの原因となっているステインなどを除去することができます。
クリーニングを行う際は、専用の器機を使用します。
汚れを除去することで、細菌の量をコントロールすることを目的としていて、クリーニングを受けることで虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。
クリーニングでは、ホワイトニングと同じように着色汚れを落とすことができるのですが、加齢によってエナメル質が薄くなり、象牙質が透けて見えて黄色く見える歯には対処できません。
クリーニングとホワイトニングは目的が異なるので、目的に合わせて施術を選ぶことになるのですが、併用することでさらに効果が高まります。
先にクリーニングを受けて汚れを落としてからホワイトニングを行うことで、効果がはっきりわかるまでの期間も短くなります。
また、クリーニングを受けると健康を保つことにもつながります。
歯に着いている歯石は、一度着いたらなかなか除去できないだけではなく、細菌が増殖する原因にもなるため、虫歯や歯周病になるリスクが高まるのです。
また、口内で雑菌が増えるとガスが発生し、口臭を悪化させることもあります。
歯磨きだけでは改善できないことが多いので、クリーニングを受ける必要があるのです。
磨き残しが気になる場合も、クリーニングを受けてみましょう。
まとめ
ホワイトニングとクリーニングはどちらも歯をきれいにするための施術ですが、ホワイトニングは歯を白くすることが目的であるのに対して、クリーニングは汚れを落として口内の細菌の数をコントロールするのが目的と、明確な違いがあります。
着色汚れを落とすのはどちらでもできますが、黄ばみを落とすのならホワイトニング、歯石や歯垢を除去するならクリーニングが有効です。