矯正治療では、歯に矯正装置を装着して歯を動かします。
矯正装置にはいくつかの種類があるのですが、中でも代表的なものが金属ブラケットです。
矯正装置といえば金属ブラケットをイメージすることが多いのですが、具体的にはどのような矯正装置なのでしょうか？
特徴について、解説します。
金属ブラケットとは？
歯並びが悪いことに悩んでいる場合は、矯正装置を装着して歯を動かします。
矯正装置にはいくつかの種類があるのですが、特に利用されることが多いのが金属ブラケットです。
金属ブラケットは、歯に付ける楕円や四角などの形をした金属板のようなもののことです。
メタルブラケットとも呼ばれ、ワイヤーを通して歯に圧力をかけて、動かします。
ブラケットをワイヤーでつなぐことから、ワイヤー矯正とも呼ばれています。
昔からある矯正装置なので、従来の矯正治療といえば金属ブラケットを指しています。
部分矯正なら数か月、全体を矯正する場合は1～2年ほど装着し続ける必要があります。
ただし、治療期間は一定ではなく、歯並びの状態によって変わります。
金属ブラケットのメリットとデメリット
金属ブラケットは昔からある矯正装置ですが、他の矯正装置ではなく金属ブラケットが選ばれる以上、何らかのメリットがあるのです。
金属ブラケットのメリットについて、解説します。
金属ブラケットは、矯正装置の中では経済的負担が少ないというメリットがあります。
ブラケットの素材は、特別な素材ではなく医療用ステンレスが使われているため、比較的安価です。
費用をなるべくかけずに歯並びを整えたい、という方にはおすすめです。
めったなことでは壊れないというのも、メリットの1つです。
金属製なので頑丈であり、装着中に壊れて外れるということはめったにないのです。
食事の際の咀嚼でかかる力は意外に強く、特に奥歯には強い力がかかるため、矯正装置が丈夫なものでなければ破損することもあるのです。
また、金属ブラケットは様々な症例に対応できるというのもメリットです。
歯列がどのような状態なのかで、使用できる矯正装置は異なります。
金属ブラケットは、ほかの矯正装置より幅広い症例に対応できるのです。
一度装着したら、矯正治療が終わるまでは基本的に外さないため、つけたり外したりする手間はかからず、外したまま忘れたり紛失したりすることもありません。
もし外れてしまった場合は、歯科医院で付け直してもらう必要があります。
矯正装置は、どのように歯を動かすのかを考えて装着しています。
外れた時に自分で付け直してしまうと、効果がなくなったり歯を動かす方向がずれてしまったりするため、勝手に付け直さないように注意してください。
ただし、デメリットもあります。
気にする人が特に多いデメリットが、見た目です。
銀色のブラケットを歯に装着して固定するため、口を開けたときは目立ってしまいます。
また、金属アレルギーの方は使用できません。
金属アレルギーでも、インプラントなどで使用されるチタンはほとんどの人が問題なく使用できるものの、金属ブラケットは基本的に医科用のステンレスを使用するため、アレルギーが起こってしまう可能性は高いでしょう。
金属ブラケットを装着していると、口内の頬や粘膜に傷がついてしまうことがあります。
傷が大きいと、口内炎の原因になってしまうかもしれません。
傷がつかなかったとしても、装着していることには違和感があるでしょう。
ワイヤーと歯の隙間に、食べかすが挟まることもあります。
放置しているとやがて腐敗して、口臭の原因となることもあります。
食べかすによって虫歯になることもあるため、気を付けましょう。
まとめ
金属ブラケットは、多くの人が利用している矯正装置です。
矯正装置の中でも長く使われているもので、丈夫なため途中で破損することも少なく、価格も矯正治療の中では安いので経済的負担も少ないでしょう。
ただし、口を開けた時に金属ブラケットが見えてしまい、矯正治療中だということがすぐわかるため、気にする人もいるでしょう。
他の矯正装置についても知ったうえで、金属ブラケットにするかどうか考えてみてください。
