口内炎を患っている方は、ストレスが溜まっていたり、栄養が不足していたりすることが多いです。
また、口の中を噛むことでも口内炎を発症しますが、もっとも怖いのは他の病気を患っているというケースです。
今回は、口内炎につながりやすい病気について解説したいと思います。
口内炎につながりやすい病気4選
以下の病気を患っている場合、口内炎がよくできたり、一度できた口内炎がなかなか完治しなかったりします。
・ベーチェット病
・糖尿病
・ウイルス性疾患
・口腔がん
ベーチェット病
ベーチェット病は、身体の中の免疫バランスの異常によっておこる全身性の炎症性疾患です。
症状が現れたりおさまったりすることを、長い期間にわたり何度もくり返すことが特徴です。
また、ベーチェット病の患者さんにもっとも多く現れる症状は、口腔潰瘍です。
こちらは初期症状であり、口内のいたるところの粘膜に、円形で境界がハッキリした潰瘍が見られます。
そのほかにも外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状など、さまざまな症状がさまざまな組み合わせで現れます。
患者さんによって現れる症状の組み合わせが大きく異なることも、ベーチェット病の特徴の一つです。
糖尿病
糖尿病とは、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気をいいます。
インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。
また、糖尿病になると免疫力が低下し、その初期症状として、口内炎の発症を繰り返すことがあります。
ウイルス性疾患
ウイルス性疾患は、感染症の一種であり、体内に病原性ウイルスが侵入し、感受性細胞に付着したときに発生します。
また、ウイルス性疾患により、口内炎を発症することもあります。
代表的なものには、単純ヘルペス感染や手足口病、ヘルパンギーナなど、子どもに起こりやすいウイルス性疾患による口内炎や、カビの一種であるカンジダ菌が原因で、乳幼児や高齢者に起こりやすいカンジダ性口内炎などが挙げられます。
ちなみに、性行為感染症によってウイルス性口内炎を発症したり、エイズの初期症状として口内炎が見られたりするケースもあります。
口腔がん
口腔がんとは、口腔にできる悪性腫瘍のことをいいます。
舌、上下の歯茎、頬粘膜、硬口蓋、口腔底、口唇に発症します。
組織型分類(がんの組織の状態による分類)では、口腔がんの約90%が粘膜組織から発生する扁平上皮がんです。
また、口腔がんでは、がんができた粘膜の色が赤くなったり、白く変色したり、形が変わったりします。
その他、口の中にしこりができる、口内炎がなかなか治らないなどの症状があらわれることもあります。
ちなみに、歯茎にがんができたときには、歯を支える組織にがんが浸潤(周囲に染み出るように広がっていくこと)し、歯がぐらついたり、入れ歯が合わなくなってきたりすることがあります。
進行したときの症状としては、粘膜のただれ、痛みや出血がある、口が開けにくい、食事が飲み込みにくい、話しにくいなど、顎関節症と似たようなものも見られます。
がんが首のリンパ節に転移したときには、しこりに気付くこともあります。
まとめ
ここまで、口内炎につながりやすい病気について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
口内炎を発症したり、その治癒を遅らせたりする病気の中には、放置していると命に関わる病気も含まれています。
そのため、口内炎ができてから2週間程度経過しても、一向に治る気配がないという場合は、一度歯科クリニックに相談し、場合によっては病気の治療を受ける必要があります。