歯を失った時の対処方法はいくつかありますが、全ての歯が失われたときは総入れ歯を選択する人が多いでしょう。
総入れ歯には保険診療の入れ歯と自由診療の入れ歯があり、それぞれ特徴が異なります。
総入れ歯の種類やメリット、デメリットには何があるのでしょうか?
保険診療と自由診療に分けて、解説します。
保険診療の総入れ歯のメリット・デメリット
総入れ歯には、いくつかの種類があります。
しかし、保険が適用されるものは歯科用プラスチックのレジンでできているものだけです。
レジン製の総入れ歯には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
最も重要なメリットは、歯がない時と比べて食事がしやすくなる、という点です。
食事は、生活の上で非常に重要です。
しっかり食事をしなければ、栄養を摂取できたとしても内臓が弱ってしまいます。
歯がなければ、食べ物を咀嚼することもできません。
柔らかいものを選んで食べるようになる人も多いのですが、入れ歯があれば少々固いものも咀嚼することができるでしょう。
多くのものが食べられるようになれば、好きなものも食べられて食べる楽しさがあり、食欲も増進されるでしょう。
限られたものしか食べられないと、食事も苦痛になってしまいます。
保険診療で作成できる入れ歯は、費用が比較的安価という点もメリットです。
また、インプラントなどの治療と比べると体にかかる負担も少ないため、安心して治療を受けることができるでしょう。
インプラントは、糖尿病など特定の持病があると治療が受けられないこともあります。
しかし、総入れ歯による治療には制限がありません。
口内の型取りができれば、入れ歯を作成できるのです。
デメリットとして挙げられる点は、入れ歯が合わないと歯茎が痛むことがある、という点があります。
最初は大丈夫でも、使い続けているうちにずれたり、歯茎が痩せたりして合わなくなることもあるのです。
また、総入れ歯は噛む力が天然歯の2~3割ほどと言われているので、天然歯でもかみ砕くのに苦労するようなものは食べられないかもしれません。
何の制限もないというわけにはいかないのですが、歯がないよりははるかに便利でしょう。
自由診療の入れ歯のメリット・デメリット
材料にレジン以外を使用した入れ歯は、自由診療なので全額自己負担となります。
費用は保険診療より高くなるものの、保険診療のレジン製の入れ歯にはないメリットもあるのです。
入れ歯の床を金属にした場合は、レジンより熱伝導率が高く、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく感じることができます。
下だけで温度を感じ、上顎には伝わらないと違和感があるので、金属床にすると食事がより楽しくなります。
また、金属にすると強度が高いため、床の厚みも薄くできます。
人工歯も、レジンではなくセラミックや硬質レジンにできるため、摩耗しづらくなり長く使えるようになるでしょう。
しかし、保険診療の入れ歯と比べると費用は高額で、素材そのものも高額なので保険診療の入れ歯の数十倍の価格となることもあるでしょう。
高価な代わりに、一部が壊れた場合などは修理ができるケースが多いので、修理して再び使うことも可能となるでしょう。
まとめ
総入れ歯は、ほとんどの歯を失ってしまった場合に選ぶ治療方法です。
しかし、天然歯と比べると噛む力は弱くなり、固いものは食べるのが難しくなるでしょう。
また、素材によって保険が適用されるものと適用されないものがあり、保険診療で作成したい場合はレジン製の入れ歯に限られます。
自由診療の入れ歯には、保険診療の入れ歯にはないメリットもあるため、メリットやデメリットを比較してみてください。