通常のインプラント治療では、歯1本につき1本の人工歯根を直接顎に埋め込み、その上に人工歯を被せます。
一方、今回紹介する“オールオン4”は、このような通常のインプラントとは少し変わった構造になっています。
ここからは、オールオン4の概要や主なメリットについて解説したいと思います。
オールオン4の概要
オールオン4とは、最少4本のインプラントに、前歯から奥歯まで一体となった人工歯を装着するという治療法のことを指しています。
骨の移植などは必要なく、抜歯からインプラントの埋入、仮歯の装着まで1日で行うことが可能です。
歯がほとんど残っていない方や、現在総入れ歯を使用しているものの、使用感に悩みを抱えている方などにおすすめです。
オールオン4のメリットについて
オールオン4には、主に以下のようなメリットがあります。
・身体への負担が少ない
・発音への影響が少ない
・治療期間が短く審美性が高い
・費用を抑えやすい
身体への負担が少ない
インプラントを埋入する際には、まず顎の骨に穴を開け、場合によっては骨を増やすための骨造成手術が必要になることもあります。
一方、オールオン4であれば、最少4本のインプラントで複数本の義歯を支えることができるため、穴を開ける数は少なくなります。
また、穴を開ける数が少ないことにより、必然的に患者さんの身体にかかる負担は軽減されます。
さらに、オールオン4であれば、骨の量があるところを選んで埋入できるため、骨造成の可能性も低くなります。
発音への影響が少ない
総入れ歯は歯茎を覆い、粘膜に吸着させるように装着するため、最初は違和感がある方も多いです。
また、慣れないうちは発音もしづらく、会話がしにくいと感じることもあるでしょう。
その点、オールオン4は歯茎を覆うことなく装着できるため、装着時の違和感が少なく、発音にも影響が出にくいです。
治療期間が短く審美性が高い
通常のインプラント治療では、人工歯根を顎の骨に埋入してから、上部構造をセットするまでに数ヶ月程度かかります。
一方、オールオン4は手術当日に見た目の良い仮歯が入ります。
そのため、見た目が気にならず、噛む機能についてもすぐに回復させることができます。
また、オールオン4は治療期間が短いにもかかわらず、すべての歯を同じ見た目に仕上げることができるため、バランスの整ったキレイな顔の印象をつくってくれます。
費用を抑えやすい
オールオン4は、人工歯根を埋入する本数が少ないため、通常のインプラント治療よりも費用を抑えることができます。
また、骨移植や上顎洞手術などの別途手術も不要になるケースが多いため、それらの費用も節約できます。
ちなみに、オールオン4は自由診療ですが、医療費控除の対象になるため、後々支払う税金を減らすことが可能です。
オールオン4の注意点について
オールオン4は、すべての歯を連結した義歯を装着する治療法であるため、自身の歯が残っている場合でも、すべて抜歯しなければいけません。
つまり、健康な歯を抜かなければいけないということであり、こちらは精神的にも身体的にも負担になる可能性があります。
また、オールオン4から他の治療法に変更したい場合なども、すでに歯を抜いている場合は難しくなります。
そのため、こちらの治療法を選ぶ際は、きちんと今後のことを考えて慎重に判断しなければいけません。
まとめ
ここまで、オールオン4の概要や主なメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
オールオン4は、手軽さや費用面、身体への負担など、通常のインプラント治療よりも優れている点がいくつもあります。
ただし、外科手術を伴うことや、自由診療であることなどは通常のインプラント治療と変わらないため、前もって治療の良いところも悪いところも把握しておかなければいけません。