インプラント治療は機能性、安全性ともに優れた治療ですが、残念ながら誰でも受けられるわけではありません。
年齢や身体の状態、生活習慣などによっては、治療が困難になる可能性もあります。
ここからは、インプラント治療が受けられない方の主な特徴について解説したいと思います。
インプラント治療が受けられない方の主な特徴5選
以下に該当する方は、そのままの状態でインプラント治療を受けるのが難しくなります。
・未成年の方
・妊娠中の方
・虫歯や歯周病がある方
・ヘビースモーカーの方
・特定の病気を患っている方
未成年の方
インプラント治療は、顎の骨に穴を開ける治療です。
また、顎の骨が成長段階であるうちに治療をしてしまうと、治療途中に顎の骨が成長し、インプラントに不具合が起きる可能性があります。
そのため、基本的には、18歳以下や20歳未満といった区切りで、インプラント治療を受け付けていない歯科クリニックが多いです。
妊娠中の方
妊娠中の女性は、基本的にインプラント治療を受けることができません。
インプラント治療は、レントゲン撮影やCT撮影、外科手術や投薬を伴うものであり、これらが母子に影響を及ぼす可能性は否定できないため、出産を終えて、少し時間が経ってから治療すべきです。
虫歯や歯周病がある方
虫歯や歯周病がある状態でインプラント治療を行うと、インプラントの周囲が細菌に感染しやすくなります。
また、細菌感染を引き起こすと、インプラント周囲炎を発症したり、インプラントの寿命が短くなってしまったりすることがあります。
そのため、インプラント治療を受ける前に、まずは虫歯や歯周病の治療を受けなければいけません。
ヘビースモーカーの方
喫煙をしている方の中でも、1日に何箱もタバコを吸うなど、ヘビースモーカーの方は、インプラント治療を受けられない可能性が高いです。
喫煙によって体内に取り込まれる一酸化炭素は血流を悪化させ、ニコチンは血管を収縮させます。
インプラント治療では、顎の骨と人工歯根をしっかりと結合させる必要がありますが、喫煙によって血流が運ばれにくくなると、こちらの結合が難しくなり、インプラントが安定しません。
特定の病気を患っている方
以下のような特定の病気を患っている方も、インプラント治療を受けるのは困難です。
・骨粗しょう症
・一型糖尿病
・心筋梗塞
・脳梗塞
・脳卒中 など
健康な身体の場合、骨は毎日つくられたり溶けたりしていますが、骨粗しょう症の方は溶ける量が多く、骨がどんどん弱っていきます。
そのため、骨が溶けて弱くなるのを防ぐ薬、主にビスフォスフォネート系製剤を服用しますが、こちらの薬を服用している期間に抜歯やインプラント治療を行うと、炎症がひどくなったり、顎の骨が壊死してしまったりすることがあります。
また、一型糖尿病にかかっている方は、血液中のブドウ糖濃度が高く、血流が悪くなります。
これにより、免疫力が低下し、傷が治りにくくなるだけでなく、歯周病や感染症にもかかりやすくなります。
さらに、インプラント体と骨が結合しにくくなるため、インプラント治療が失敗するリスクも高まります。
その他、心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中などの全身疾患については、引き起こしてから6ヶ月以内の場合、インプラント治療を受けるのは難しくなります。
これらの病気の発症から6ヶ月以内は、血液をサラサラにする薬を服用していることが多く、出血すると血が止まりにくくなる状態のため、インプラント治療を行う時期としては適していません。
まとめ
ここまで、インプラント治療が受けられない方の主な特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
身体が通常の状態ではない場合、インプラント治療の成功率は下がりますし、治療を受けることで身体にさらなる悪影響が及ぶこともあります。
そのため、先に症状を改善させるか、歯科クリニックの医師に相談し、他の治療を受けることについても検討してください。