歯科クリニックで矯正治療を受ける際、患者さんは医師と相談しながら、自身に合った矯正器具を選択します。
また、近年とても人気が高まっているのが、マウスピース型の器具を使用した矯正です。
今回は、マウスピース矯正の概要、メリット・デメリットについて解説したいと思います。
マウスピース矯正の概要
マウスピース矯正は、ワイヤーやブラケットを使用せず、透明なマウスピース型の器具で歯を動かす矯正方法です。
また、こちらの器具にはいくつかの種類がありますが、特に有名なのがインビザラインです。
インビザラインは、世界で800万人を超える治療実績があり、矯正の先進国であるアメリカやカナダでは、70%以上の矯正歯科でインビザラインを採用しています。
日本国内にも、こちらのマウスピース矯正を採用している歯科クリニックは多く存在します。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正には、主に以下のようなメリットがあります。
・装置が目立たない
・食事や歯磨きの際に取り外せる
・治療期間が予測できる
装置が目立たない
マウスピース矯正で使用する器具は、薄くて透明度が非常に高いものです。
そのため、笑顔を見せたり、口を開けたりしても、矯正治療中であることが外から見てわかりにくく、普段通りの生活を送ることができます。
食事や歯磨きの際に取り外せる
ワイヤー矯正の場合、どうしても器具が邪魔で、食事や歯磨きなどの口内ケアが行いづらくなります。
一方、マウスピース矯正の場合、食事や歯磨きのときに取り外すことができるため、その点の使い勝手におけるストレスは一切ありません。
治療期間が予測できる
マウスピース矯正は、治療期間の予測がしやすいというメリットもあります。
具体的には、歯の移動距離や治療の進捗度に応じて、矯正プランを立てることが可能です。
また、一般的な軽度~中程度の歯列不正に対しては、マウスピース矯正で十分な結果を得ることができます。
マウスピース矯正のデメリット
マウスピース矯正は、人気も実績も申し分ない矯正方法であり、メリットも多いですが、以下のようなデメリットもあります。
・装着時間が長い
・治療できる歯並びが限られる
・紛失するリスクがある
装着時間が長い
マウスピース矯正は、患者さん自身で取り外すことが可能ですが、装着時間がとても長いです。
マウスピースの種類にもよりますが、最低でも1日17~20時間程度の装着が必要であり、食事や歯磨きのとき以外は、基本的にマウスピースを外してはいけません。
治療できる歯並びが限られる
幅広い症例に対応できるワイヤー矯正と比べて、マウスピース矯正では治療できる歯並びが限られてしまいます。
例えば、歯の位置が大きくずれている場合や、歯がひどく傾斜している場合などは、無理にマウスピース矯正のみで治そうとすると、治療が難航するおそれがあります。
また、このような場合は、ワイヤー矯正を併用しなければいけないこともあり、そうなると治療の手間や費用もかかりやすくなります。
紛失するリスクがある
マウスピース矯正に使用する器具は、自由に取り外しができる分、紛失のリスクも伴います。
例えば、外出中にマウスピースを外すタイミングがあり、一時的にティッシュやハンカチに包んでおいたところ、そのまま忘れてしまったり、捨ててしまったりするケースがあります。
また、誤って床などに落とし、破損することも考えられます。
まとめ
ここまで、マウスピース矯正のメリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
矯正治療中の見た目を気にする方は、ほとんど気付かれることのないマウスピース矯正がおすすめです。
一方で、自己管理が苦手な方や、大きな歯並び、噛み合わせのズレがある方などは、あまり向いていない可能性があるため、他の矯正方法を選ぶことも視野に入れて下さい。