歯科医院の診療メニューには、審美歯科というものがあります。
審美歯科の治療の1つにラミネートベニアという治療があるのですが、ラミネートベニアというのは何をする治療なのでしょうか?
また、他の治療と比べてどのようなメリットがあるでしょうか?
ラミネートベニアについて、解説します。
ラミネートベニアはどのような治療?
歯は基本的に白を基調とした色ですが、食べ物や飲み物等が着いた着色汚れによって、様々な色になることがあります。
また、加齢によって歯の表面のエナメル質が薄くなってしまい、歯が黄ばむこともあります。
歯が黄ばんだり色が着いたりした時は、まずホワイトニングが思い浮かぶ人がほとんどでしょう。
しかし、ホワイトニングは場合によって、できないケースもあります。
ホワイトニングが無理な時に、歯を白くしたいという人におすすめなのが、ラミネートベニアという治療です。
ラミネートベニアは、歯そのものを白くするのではなく、表面に白いカバーを付ける治療です。
ラミネートベニアの治療では、まず歯の表面を薄く削ります。
削った表面に、薄いセラミックなどで作成されたチップを接着することで、歯を白く見せることができます。
また、ホワイトニングとは違って、歯の隙間を塞ぐことができます。
貼り付けるチップの大きさや貼り付ける場所を調整して、歯の隙間が大きい個所を塞ぐようにすると、見た目の歯並びも良くなることがあります。
また、歯の中には正しい位置からずれた個所に生えているものもあります。
ラミネートベニアが使用できるのは前歯の上下12本だけですが、前歯がずれている場合はラミネートベニアで治すこともできます。
ラミネートベニアのメリットとデメリット
ラミネートベニアは、前歯にだけ適用される治療方法です。
矯正治療の代わりにラミネートベニアによって治療することもありますが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
まず、治療にかかる時間が短いというメリットがあります。
特に、歯並びを治すための矯正治療は年単位で時間がかかるのですが、ラミネートベニアの場合は通院が3~4回、治療期間はラミネートベニアの作製期間を含めても1~2カ月程度です。
また、矯正治療の場合は歯を動かす必要があるので少なくない痛みがあるのですが、ラミネートベニアの場合は歯の表面を少し削るだけなので、痛みがほとんどありません。
また、歯を削りたくない人には削らないラミネートベニアの治療を扱う歯科医院もあります。
歯を削る量はわずかなので、神経を抜く必要はありません。
また、虫歯の治療のように大きく削る必要もないため、歯の寿命を縮めることなく健康を保つことができます。
ラミネートベニアで使用する素材は、セラミック等が主です。
金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けることができます。
また、見た目も天然歯と変わらないので、違和感がありません。
ラミネートベニアの色は、調整が可能です。
周囲の歯と色調を合わせることができるため、治療したこともわかりにくいでしょう。
また、神経を抜いて色が変わった失活歯も、他の歯と同じ色にできます。
ただし、ラミネートベニアは保険が適用されないため、治療費は自己負担です。
また、わずかとはいえ健康な歯を削ることになります。
ラミネートベニアは取れることがあるので、取れた時は再び治療を受け直す必要があるでしょう。
まとめ
歯を白くするための治療として、ラミネートベニアがあります。
ホワイトニングとは違い、歯を白くするだけではなく歯並びを整えることができるというのが特徴で、矯正治療を受けるのが難しい人にもおすすめです。
治療期間も1~2カ月と短いため、歯を白くして歯並びをなるべく早く整えたい、という人にも向いているでしょう。
ただし、適用できるのは前歯だけなので、奥歯を白くしたい人は別の方法を選んでください。