インプラント治療は、機能性の高い人工歯を手に入れられるだけでなく、安全性にもきちんと配慮されている治療です。
しかし、治療を行った後、口周りを中心にさまざまな症状が出ることがあります。
ここからは、インプラント治療後に見られる症状のパターンや特徴などについて解説したいと思います。
インプラント治療後に見られる症状6選
インプラント治療が完了した後は、以下のような症状が出ることがあります。
・痛み
・腫れ
・違和感
・出血
・アザ
・麻痺
痛み
インプラント治療後の痛みには個人差がありますが、埋め込むインプラントの本数が多い方は、痛みが出やすくなります。
また、インプラントを埋め込むために歯茎の移植手術が必要な場合や、顎の骨が痩せている方は、骨を増やす手術が必要となる場合がありますが、そういった場合も術後の痛みが出る可能性があります。
腫れ
インプラント治療後は腫れることも多いです。
手術によってできた傷口は、体の自然な反応として炎症を起こし、腫れや赤みを引き起こします。
こちらは、傷口をキレイに治癒するための重要な過程であり、避けられない反応です。
手術の範囲が広い場合や骨造成を行った場合は、特に腫れやすくなります。
ただし、手術後の腫れは一時的なもので、手術後3〜4日ほどでピークを迎えます。
腫れは徐々に引き、ほとんど場合1〜2週間程度で落ち着きます。
違和感
治療後1~2週間を経過しても、痛みや腫れなどの違和感が治まらない場合、または悪化している場合は、患部が炎症(インプラント周囲炎など)を起こしているか、もしくは隣の歯と触れていることで違和感が生じている可能性があります。
出血
インプラント治療では、歯茎を切開する外科手術を伴います。
そのため、治療後に傷口から出血する可能性もあります。
また、治療後の運動量が多かったり、すぐ入浴したりした場合は、血の巡りが良くなり、患部から出血しやすくなるため、注意が必要です。
その他、食事や歯磨きで患部が傷ついたことや、飲酒や喫煙によっても、インプラント治療後の出血はひどくなることがあります。
アザ
インプラント治療を行った付近の顔面の皮膚がアザ(皮下出血)のように、黄色っぽく変色する場合があります。
こちらは、インプラント治療による内出血、健康状態の問題(血液をサラサラにする薬を服用しているなど)といった原因で生じるものですが、こちらも腫れなどと同じく、治療後1~2週間程度で消えるケースが多いです。
麻痺
インプラント治療後、稀に口周辺が麻痺しているような感覚が出ることがあります。
このような場合、インプラントが下顎を通っている下歯槽神経を傷付けてしまったことが原因かもしれません。
上顎の場合、インプラントを埋め入れる箇所に神経が通っていることが少なく、上顎の神経が傷付くことは稀です。
一方、ほとんどが下顎の場合、インプラントを埋め入れる箇所に神経が通っているため、神経を傷つける可能性があります。
下顎の骨の中には下顎管というものがあり、その中には下歯槽神経(および血管)が走行しています。
下歯槽神経ですが、親知らず抜歯などの歯科治療や、インプラント治療によって損傷される可能性があります。
また、インプラントを埋め入れる箇所によっては、下歯槽神経終末にあるオトガイ神経と呼ばれる神経が傷付くこともあります。
まとめ
ここまで、インプラント治療後に見られるさまざまな症状について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
インプラント治療後、数週間程度は、さまざまな症状に悩まされる可能性がありますが、そのほとんどが一過性のものです。
ただし、いつまで経っても症状が消えない場合は、自身で解決しようとしたり、我慢したりせず、早急に歯科クリニックの医師に相談しなければいけません。